羊子からの手紙 第二回
君へ
東京はもう桜はそろそろ終わりだよ。君のところはどうかな?
つい先日、善福寺川公園でお花見したよ。
花びらが飲み物とかお弁当とかにひらひらって入ってきたりしてとても風情があったよ。よく考えてみたらいわゆるお花見って生まれて初めてしたかも。
さて、今日は君に二通目の手紙を送るよ。先月一通目の手紙を送らせてもらったんだけど、お返事もらえたり反響があってとってもうれしかったぁ。君を近くに感じたよ。おかげでアイディアが浮かんだの。まだ温め中なんだけどこの手紙を送っている君だけに音源やフォトアルバム、書き下ろしライヴレポートなんかを届けたいなって思ったの。どうかな?
それではまたね
羊子より
--------------------------------------------------
□目次□
1.羊子のエッセイ
2.羊子の毒白
3.羊子のアンテナ
4.羊子からのお知らせ
--------------------------------------------------
1.羊子のエッセイ 「メロディの快感 2」
わたしは曲を聴くとき強く快感を感じるのはメロディの頂点で、その頂点がはっきりある曲を前回の手紙で例をあげて話したよね。
今回は同じ頂点でも瞬間的な例をあげて話したいと思います。
たいていは後半のサビで出てきます。
高ぶって思わずメロディが飛び出しちゃうというか。
例えば「Time After Time」。これはシンディー・ローパーのとても有名な曲。君もきっと聴いたことあるんじゃないかな。
わたしがこの曲を最初に聴いたのはタック&パティがカヴァーしたヴァージョンなので、もうわたしの中では「Time After Time」イコール「タック&パティ」なの。
とってもいいの。タックのギターは文句なしに気持ちよくて、パティのうたはとっても抱擁感があるの。頂点は3分30秒くらいにきます。
この曲はいろんな人がカヴァーしてるけど、この頂点がないカヴァーもあるの。
カサンドラ・ウィルソンのヴァージョン。
今回あらためて聴き直して「あれ?頂点がない」ってなったの。
でも今まで気づかなかったってことは、つまりいいんだって思ったの。いいんだって。
これは目からウロコだった。絶対なんかなくてわたしがメロディの頂点にとても着目してるように、カヴァーする人それぞれ着目するところが違うんだってね。
ちなみにシンディ・ローパーの原曲は頂点が1コーラス目にすぐ出てきちゃうの。
他にも川村結花さんの「わたしが知ってる」。
とってもとってもよ〜くできた曲なの。少ない音数で最大限の効果をあげるという作曲者冥利に尽きるようなことをやってのけてる曲なの。頂点は2分52秒のところでくるよ。
あとはUKバンドのTRAVISの大好きな曲「Why Doesn't It Always Rain On Me?」は3分25秒に頂点がきて4分00秒でもう一つのがくる。
ビリー・ジョエルの「オネスティ」は4分20秒あたりにくる。
ちなみにわたしの曲で言えば「バッティングセンター」が頂点のある曲かな。ふふ
--------------------------------------------------
2.羊子の毒白「なんかやだ」
友人曰く、
「なんかとにかくやだ」
っていう態度がわたしには多々あるそうだ。
そう指摘されて、う〜〜んと考えちゃったの。
「なんかやだ」って瞬間はおそらく何かから逃げようとしてるのだ思う。
何でいやなんだろう?このまま見過ごすと同じことをくり返し続ける。
輪廻転生、だっけ?前世でやり残したこと学び残したことをやったり、学ぶために生まれ変わるみたいな考え。
きっと「なんかやだ」には今世でわたしが学ぶべきことのヒントが隠されてるに違いないって思ったの。
そう輪廻で思い出したのが、「100万回生きたねこ」って絵本。2、3日前ふと「あ、そうか」ってわかった瞬間があったの。
この絵本の内容はね、あるねこが100万回も生きて死んでをくり返してあるとき雌ねこちゃんに出会って恋して…そのあとは読んでない人のために書かないけど。
つらいことやいやなことってある意味大切なことに気づくチャンスだから、だからそう考えると少し気持ちが楽になる。いい本って大切なことを気づかせてくれる。
そして何より人付き合いから気づくことが一番多い。今回みたいに。
わたしね、君と一緒にわかち合いたいって思ってるの。
ナーバスな気持ちも含めていろんな気持ちを。
わかち合うには気持ち開いてないとわかち合えない。
「なんかやだ」ってときは開けなくなってるときだって今回気づいたの。
で、のりこえたいって思うの。そうしたら君にもっともっと近づける気がして。
わたしの「なんかやだ」はまだまだ解読不明。けど少しずつでもいいからひも解いていきたい。少しずつでいいから。
君にも「なんかやだ」ってある?とっても興味あるな。
--------------------------------------------------
3.羊子のアンテナ
◎音楽編
ROBERTA FLACK - Killing Me Softly
最近の一番のお気に入り。何回も何回も聴いてる。ロバータの歌、曲、アレンジ全ていいの。A面一曲目はコーヒーのCMに使われた曲だからきっと一度は聴いたことあると思うよ。(今これ書いてるカフェでもさっきかかったし。)
ROLLING STONES - Let It Bleed
まずね、このジャケットがビビッドなの。ケーキなんだけど自転車のタイヤとかレコードプレイヤーとかと合体してるケーキなの。聴く前からとてもワクワクワクワクなの。そして中身もとつぜん子供のコーラスが入ってきたりして、けどそれがハマってたりしていいの。これ聴いてストーンズってやっぱいいなって思ったよ。
GLENN GOULD - The Mozart Piano Sonatas, Vol.4
中古レコード屋で試聴して即買った。このモーツァルトの曲は超有名な曲なんだけど、いやーー聴くだびに何かぷって笑っちゃうの。何かかわいくて。グレンがとっても愛おしんで弾いてるのが伝わってくるの。
SLY & THE FAMILY STONE - Greatest Hits
このレコードも最近よく聴いてる。ゆるむゆるむって感じ。グルーヴが気持ちよくてほぐれるの。そしてこのアルバムはどんな時にでも聴ける。朝起きがけの時、日中何か作業してる時、食事中、寝る前も。
◎お店編
無垢
野方にある喫茶店。最近のお気に入り。窓側の席がお気に入りで光が差し込んでとってもいい気分にひたれる。うれしいことに手作りフレッシュ野菜ジュースがある。これがまた美味しいの。コーヒーもかなりおいしい。そして店員さんが常に機嫌がいいのよ〜。これポイント高い。
ささら堂
ライヴ写真をときどき撮ってもらってるokina!さんから教えてもらった北海道の美瑛にある宿。昭和レトロな雰囲気で、食事も店主自らやってる畑でとれる野菜をとびっきりおいしく料理して出してくれるそうです。9月の北海道ツアーのとき行ってみたいなー。ねらってるの。
◎番外編
京都嵐山いしかわ竹の店の鬼おろし
鬼おろしって知ってるかな?木でできた大根おろしなんだけど、これがふつうのおろし器とはぜ〜んぜん違うの。おろしても水気があまりでなくてふわっと仕上がるの。マジカルだよ〜。とにかく一度は試す価値ありありです。
シンギング・リン
雑誌「TRINITY」で紹介されてて知った、チベットのチベタンボウルと日本のリンを融合させた楽器みたい。医療現場やヒーリングなんかで使われてるみたい。とくに惹かれたのは「音の温泉に入ってる感覚」と書いてあったこと。うーん体験してみたいなー。
--------------------------------------------------
4.羊子からのお知らせ
読んでくださってどうもありがとうございます。配信について少し変更があります。「letter/羊子からの手紙」は毎年3月に配信継続希望かどうかをお聞きすることにしました。継続希望の方のみまた配信していきます。そしてLetter会員にしか聴けない見れない特別コンテンツを準備中です。これからもよろしくね。
--------------------------------------------------
□「羊子からの手紙」へのメッセージ
感想やご意見、配信のことなど何でもHITSUJI LABO宛に送ってください。
メール:mail@hitsujilabo.com
メールフォーム:http://www.hitsujilabo.com/mail/mail.html
□秋山羊子ライヴ情報
今月は下北沢、名古屋、四日市、一宮でライヴします。ライヴで君に会いたいな。
http://www.hitsujilabo.com/live.html
--------------------------------------------------
「羊子からの手紙 第二回」作成・編集:秋山羊子/HITSUJI LABO